今回、マウントキュー株式会社 ∕ テクニカルディレクター 山本久之 氏に、
RED V-RAPTOR の使用感や魅力についてお伺いすることができました。

RED V-RAPTOR / 8KVV テストクリップを観た印象

マウントキュー株式会社 ∕ テクニカルディレクター 山本久之 氏

V-RAPTOR / 8KVV で撮影されたノーライト/ナイトシーン素材を、DaVinci Resolve17.3.1で確認してみた初見を簡単にまとめてみました。

完全に陽が落ちた初秋に東京駅近くの丸の内で撮影した素材で、照明機材は一切使用しないノーライトでの収録です。この条件で素材を受け取ると真っ先に気になるのが、増感処理によるノイズの現れ方です。撮影スタッフによると、レンズの絞りは開放もしくはそれに近い状態だったそうです。後処理での増感処理は必須になります。これまで様々なカメラで同様の検証をした経験と同様に、ある程度のノイズ感は予想していましたが、HD解像度のビューワの中ではノイズ感は全く感じられませんでした。昨今のイメージセンサーの性能向上の流れが、ここでも恩恵を受けている様子です。

さらに、ノーライトでの撮影にもかかわらず、ISO を 6400 まで増感しても、街路樹の緑色が非常に鮮やかに再現できていることには驚かされました。また、わずかにフレームの中に映り込んだ信号機の赤も、肉眼に近い印象です。このカメラのイメージャでキャプチャーできるカラースペースの広さが見て取れました。緑色の色域が広がるということは、一般的には肌色などの黄色近辺も拡張していることが期待できるので、ライティングを施したスタジオで人物の肌色も見てみたくなりました。

カメラがパンニングしている途中を1フレーム切り取ったフレームです。暗い方が ISO 800 で、おそらく現地で肉眼で見ていた明るさに近い印象でしょう。これを ISO 6400 まで増感したところが明るい方の画像です。注目すべきところは、感度を強制的に上げたにもかかわらず、ハイライト部分のクリップがほぼ見当たらないところです。まだまだ明るさの上限には余裕を感じます。スコープでの確認でもまだ余裕があり、クリップしている様子もありませんでした。

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ISO 800
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ISO 6400
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ISO 800 と 6400 の二種類の感度でピクセル等倍にして、表示のためにさらに拡大した様子です。シャドウ部やハイライト部双方に、ノイズ感が出ていない点がVRAPTOR/8KVVの高感度の特徴が表れています。画像の輪郭部にブラーが出ているのは、カメラをパンニングしている途中部を1フレーム切り取ったためです。


こちらも感度は先のショット同様、ISO 800 と 6400 です。後処理により ISO 6400 まで増感しても、木々の葉の緑色は目視での印象に近く、鮮やかな色でキャプチャーできています。小さく写り込んでいる赤信号も、肉眼での赤色の印象に近い様子です。さらに、陽が落ち切った空の濃紺も表現できています。
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